すきによんでねブログ

たかはしりおこのなんてことないブログ

#うたつかい30 01

うたつかい30号の羽島かよ子さんの自由詠が良すぎた件について書きます。だって140字じゃ収まらないもの。5首とも全部良くて連作として最高に好きだったのでぇえ…………。全首紹介するわけにはさすがにいかないと思うので、Twitterでひいた1首目以外はうたつかい本誌でご確認ください。

http://utatsukai.com/

(リンク貼ってみたけど購入ページがよくわからなかった……Twitterアカウントは @utatsukai です)

投稿したひとはPDFなりZINEなりで読める仕組みになっているのですが、最近短歌を始めたぞ~って人をよく見かけるこの頃なので、知らなかったって方もぜひ読んでみてほしいです。あと次号の短歌募集が6月22日までです。サイトを読んで興味があったらぜひ!出してみてほしい!そしてわたしはまだまったく手をつけられていない!締切が近い!焦る!!

 

さて本題です。Twitterでも少し書いたのですが、羽島かよ子さんの自由詠5首(連作)がめちゃくちゃにどストライクど性癖だったので変な声が出た話をします。

かよ子さんとも少し話したのですが、わたしは数年前にもかよ子さんの歌がめちゃくちゃに好きでハァハァしたことがあって、やっぱり上手いんだなあ好きだなあとあらためて思いました。ちなみにその時の歌はうたの日の歌で

ともに往く街は詠いたいことばかりあなたがわたしの瞳とおもう/羽島かよ子

https://t.co/aa6G1Tipyb
という歌です。ほら良いじゃろ?良いじゃろ??

てなわけで前置きが長いですね反省しますようやく本題に入ります。

 

うたつかい30号自由詠 羽島かよ子『春へ漕ぎ出す』より

はじめての春にふたりで漕ぐボート まぶしいところはみんな道だよ

……やばない?やばい(断言)何がやばいって、わたしこれ、あの、下の句の畳み掛けるようなM音が最高と思っているんですけど。特に「みんな」がすごい。「え、そこ『みんな』持ってきます???すごい」ってなりました。どうですか。例えばなんですけど、わたしだったらたぶん「全部」にしちゃうと思う。いや、あの、わたしの語彙力のなさとかそういう話かもしれないんですけど、でもなんか、「うわあ~!『みんな』!まじか!『みんな』!!!」みたいな気持ちになったんですよね。それだけなんですけど。「みんな」にすることで優しい感じが出ますよね、「ぜんぶ」よりも。だって「ぜんぶ」って濁点だらけじゃん。だんごかよ。

そして下の句の話ばっかりしましたが(それが一番衝撃だったので)、上の句もH音が続いていてこれもいい感じ。「はじめての」「春に」「ふたりで」全部やわらかい感じがします。これが一首目にあるということは、この連作はそういう連作なんですよ~っていうのがばっちり伝わる、きちんと世界観を伝えてくる一首目です。すごい。この歌はすごすぎてぜひ声に出して読んでみてほしい。つよい。

そして今さら内容の話をするんですが(今さらになりましたがとても大事なことなので)この下の句がすごいんです。

ふたりでボートに乗っていて、水面がきらきらしている……ということももちろんあるんでしょうけど、それだけの話じゃないと思うんですこれ。ふたりの行く道は絶対にどこもかしこもきらきらしているんです。だって恋するふたりだもの。「まぶしいところはみんな道」なのではなく、「ふたりで行く道はみんなまぶしい」って話だと。わたしは思うのです。それを、水面がきらきらしているいいお天気な様子で例えているというか、いや例えているわけではないんですけど、そういう景色を想像させるような描写で、風景と心情をまるっともりっと含んで収めているのが「う、うんめぇ~!!!」ってなるところでした。

 

こんな調子で以下4首も感想を書いていこうと思うのですが、長いですよね。全部書いたらたぶんすごく長くなりますよね。ということでまた次の記事に続きたいと思います。今日はここまでということで。

 

ちなみにわたしは盛大に風邪をひきまして、今は咳が止まらないターンに入っています。しんどい。そんな感じなのでぽんぽん更新はできないかもしれませんが、続きも読みたいなって方がもしいらっしゃいましたら気長にお待ちください。へばな!