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『歌人のふんどし2018』の話1

田中ましろさんのネプリ企画「歌人のふんどし2018」を読みながら……。今日はタイトルについての話です。

この企画は、人のふんどしで相撲をとる……「他人がつけたタイトルで連作を詠む」という企画です。今年でもう三年目、夏の恒例となりつつあるのではないでしょうか。
http://www.kokoiru.com/fundoshi2018/
わたしは前年に引き続き二度目の参加でした。

考えたタイトルは参加者みんなに見える場所に投稿されていくのですが、その時点から「これは当たりたくないな……」とか「これはぜひ詠みたいな……」とかがはっきりわかってきます。この時の「当たりたくない」というのは、「このタイトルの歌を作れる気がしない!」と感じるタイトルなわけです。そしてそれは同時に、「他の人がどう詠むかはすごく見てみたい」になるわけです。「詠む」側からしたら地獄かもしれないですが、「読む」側からしたらめちゃくちゃ面白いんですね。

わたしが当たったタイトルは、西藤智さん提供の『深海八千メートルの朝焼け』でした。
参加者が161人ということですべてのタイトルを確認していたわけではないのですが、このタイトルはお世辞じゃなくいっちばん気になっていたタイトルです。詠みたい、って思っていました。ご存じの方や気付いている方も多いかと思いますが、わたし、海というモチーフに大変弱いのです。しかも朝焼けって!なんて綺麗なタイトル!
他には
・『パンダコパンダハンダゴテ』(タイトル提供:加瀬はるさん)
・『マッコウクジラの憂鬱』(タイトル提供:木蓮さん)
・『ある朝起きたら、利き手が逆になっていた』(タイトル提供:とわさき芽ぐみさん)
あたりが気になっていたような気がします。わたしはパンダコパンダがめちゃくちゃ好きで、クジラにとても惹かれている、左利きなんです。右利きになれたらめちゃくちゃ便利で感動しちゃうよ!!!!!

ちなみに当たりたくないと思っていたタイトルは、
・『〈湖畔のアスパラガス工場〉事件』(タイトル提供:河村壽仁さん)
・『童貞聖マリア無原罪の御孕りの祝日』(タイトル提供:佐藤涼子さん)
・『喫煙推進株式会社』(タイトル提供:宗谷燃さん)
・『忖度』(タイトル提供:小川窓子さん)
・『探偵/六首からなる四部作』(タイトル提供:雀來豆さん)
あたりです。なのでこのへんは当たった人がどう詠むのか読者として楽しみでした。(当たっていないからこその他人事)

タイトルが決まって、わたしの考えた『テトラポット熱いお茶』というタイトルは奈月遥さんの元へ。奈月さんは、未言と言って綺麗な造語をたくさん作って、それで短歌を詠むなどしていらっしゃるので、「こんな捻りも詩情もない単純な単語を並べたタイトル……!どう作品にされてしまうのか期待大……!」という感じでした。

その他にこの組み合わせが気になる!と思っていたものは以下の組み合わせです。
・千原こはぎさん『妻(さい)のある人』(タイトル提供:せきさん)こはぎさんがこのタイトルなんて合わないわけがないじゃん、ジャストフィットふんどしじゃん、って絶対誰もが思った組み合わせだと思います。大本命でした。
・七波さん『え、まだ第三の目開いてないんですか?!』(タイトル提供:なべとびすこさん)これはものすごくなべさんが持ち込みそうなタイトルだと思ったんですけど、よりによって!七波さんに!作風が違いすぎる!どうなる!とめちゃくちゃ(勝手に)応援していた組み合わせでした。
やっぱり作品とか作風を知っている人に対して「合う!」とか「普段つけない感じだから大変だろうな……」と思うことが多かったです。


今日はここまで。作品の紹介まではできませんでしたが、次から少しずつ読んで、気になる作品の感想を書けたらと思います。