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たかはしりおこのなんてことないブログ

にじみでるしる

先日、小瓶歌会に行ってきました。そのとき自由詠に出した歌について、わたしにしては面白い作り方をしたので、覚え書きのような記事です。

 

今回わたしは

ながいことほったらかしのかさぶたをはがしたとこからにじみでるしる(たかはしりおこ)

という歌を提出しました。

この歌は元々「かさぶたをはがしたとこからにじみでる汁」の部分だけ浮かんでいて(ここまでどう作ったかは忘れました)どうにも初句二句が浮かばずにほったらかしていたものです。

他のストックでくっつきそうな初句二句があるのではと思い探してみると、新聞歌壇落選作に「長いことほったらかしのカレンダー冬の白さを破って捨てる」というものがあり、これが一番しっくりきて……

「長いことほったらかしのかさぶたをはがしたとこからにじみでる汁」

「はがす」「にじみでる」のあたりを漢字にすることも考えましたが、むしろ全部ひらがなでも読めるなあと思い、すべてひらいて提出しました。内容については深く考えず、繋がってるしこのまま出そう~くらいにしか思ってなかったです笑

 

当日の評については詳しく書きませんが、とりあえず適当に組み合わせたことは誰にもばれてなかった!はず!語順が~とか流れが~とかは言われませんでした。ひらがななのもそんなに否定されなかった印象……。

(すべてひらがなの歌は企画で取り組んだことがあり、そのときも楽しかったので、今回もひらいて成立する歌が作れたことは個人的にはとてもうれしかったです。またそういう縛りで詠みたい……!)

 

以上、覚え書きのような記事でした。

 

そういえば、笹井宏之賞で野口あや子賞を受賞した八重樫拓也さんの「墓を蹴る」に似た歌がありました。

化けの皮剥がれたあとの瘡蓋を剥がしたあとの透明な汁(八重樫拓也「墓を蹴る」『ねむらない樹vol.2』)

め、めっちゃ似ている……!そして上手い……!