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たかはしりおこのなんてことないブログ

#うたつかい30 02

うたつかい 30号の羽島かよ子さんの自由詠が良すぎた話第二弾です。前回のブログでは一首目について語彙力をなくしながら紹介しました。
https://nashkrkr.hatenablog.com/entry/2018/06/17/083902

今回は、読者の手元にうたつかいがあること前提で書いていきます。だって全首ともひいちゃったらさすがに、、、ねえ?(とわたしは思うんだけどどうなんだろう)

二首目は、ひたすら「26センチ」にきゅん。別に何センチでもいいんです、そういうことじゃなくて、この具体的な描写がわたしのどツボなんです。約30センチじゃん。キリいいし、人の身長差なんて26も30も大差ない、とわたしは思うのだけれど、だからこそはっきり26センチっていう描写されてるのがとても……!とてもすき……!間違いなく主体と相手の物語であることがはっきりわかるから……!
もちろん内容もいいんです。それはぜひ読んでください。

一首目の紹介のときは言いたいことたくさんあったから長くなりましたが、今回はさくさく好きポイントを書いていこうと思います。あとは読めばわかるから、、、わたしのツボのところだけ主張させて、、、という気持ち。

ということで三首目。わたしもこの歌読んで調べて初めて知ったんですけど、満天星はドウダンツツジの別名だそうです。そしてこの歌まさにそのままなんですけど、そんなの聞いちゃったら花が星に思えてくるし、そしたらここは銀河だなって気持ちになりますよねえ……。新しい知識によって世界の見え方が変わる。しかもそれを変えてくれたのがこいびとだったというのろけですね。こいびとが教えてくれたから世界がまたきらめくという大変良いのろけです。とっくにわかっていたことですがこの連作大変良いのろけなんです。読んでいて幸せな気持ちになります。素晴らしいです。

続いて四首目。これ、下の句(というか三句目後半から下の句の、全角スペースの後の部分)が圧倒的に好きです。というか、三句目の中で切れ目がある、そこのリズムとかも含めて好きなんです。ああ、うまく言葉にできない。
上の句は地と空の話をしているんだけど、下の句では海(とか池とかを暗喩するか)のような描写がされているのも上手いと思います。全部青い。地と空の青にも境があって、さらに海に溺れていくときも境があるんだけど、でも手をはなせない。でもこれ海とも池とも言っていないし、恋とか人生とかそういうものの例えだと思うんですけど。一緒に溺れてほしい。言葉にできないけど綺麗なんですよねえ、浮かぶ景色が。青い世界でこいびとと手をつないでいて、そのままさらに深い世界に染まって、沈んでいくような。そしてたぶん、主体は「ごめん」ってなってるけど、こいびとも「いいよ」って感じなんじゃないかな。強い言葉で暗いような気もするんだけど、そんなに闇に落ちていくような感じじゃないの。なんというか。綺麗で。ひたすら綺麗で。とわたしは感じました。(言葉にできていない)

そして最後の五首目。一首目でボートを漕いでいたのも受けて。タイトルはこの五首目からとられているわけですが、比喩ですね。うまいなあーって思いました。はじまりから終わりまでしっかりまるっとひとつの作品で。
そしてまた内容がすごくいいです……。「このひととなら」ってところがめっちゃいいです。自分ひとりだったら、別にいつ死んでもいいなって。思っていたんですよ。でも「このひととなら」生きてもいいかな、むしろ生きていきたいな、ってことじゃないですか。この歌は。「したい」なんですよ。これは希望の歌だ。って。ぐすぐす。めっちゃ好きです。ってことです。


というわけで駆け足になりましたがわたしの伝えたいおすすめポイントは書けたので満足です!ほんとすごい。これわたしが詠みたかった(無理)

まだうたつかいこの先全然読めていないので、またちまちま読もうと思っています。にしても7月は企画も大会も締切たくさんあって大変ですね。わたしはすでに死んでいます。暑いし。そう、最近めちゃくちゃ暑いですよね。夏が本当に嫌いなので乗り切れる気がしないのですが、皆さんあれもこれも頑張りましょう。死なない程度に。ではまた!