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『歌人のふんどし2018』の話3

前回はタイトルや組み合わせの段階で気になっていた作品を中心に感想を書きました。
nashkrkr.hatenablog.com
今回はもう少し範囲を広げて感想を書いていきます。


秋山生糸さん『オペラグラス越しの愛』(タイトル提供:七波さん)
KOEEEEEって声が出ました。わたしはジャニオタかつ舞台オタなのでオペラグラスの大事さをよく知っているのですが、そういう使い方じゃないオペラグラスの使い方の歌……。どういう使い方かはここでは言いません……。とても面白いので読んでみてほしい……。
主体のいる場所(六首目から推測するに自室のベランダだとは思う、けど部屋とは別に観測場所を持っているとしたらそれもそれでこわいし、この人ならありえそうでさらにこわい)から相手の部屋の距離がどれくらいのものなのか、オペラグラスの倍率などはわからないけれど、けっこうがっつり
見えてて本当にこわい!!!!!二首目がこわい!!!!!
本当にこういう人がいると考えるとぞっとしますが、この連作の感想において「こわい」は褒め言葉だと思います。

あひるだんさーさん『桃・犬・猿・鳥』(タイトル提供:小澤ほのかさん)
すごい連作だ……これは名作だ……。内容としては、今年起きた西日本豪雨とは書かれていないけれど、豪雨災害のことが詠まれています。
このタイトルは明らかに桃太郎を連想されるタイトルだし、元々桃太郎から考えられたタイトルだとは思うのですが、特にそのへんを匂わせないで連作がスタートします。一首目に桃、二首目に猿、と一首ずつにキーワードを詠み込みながら被災地の様子が詠まれています。そして五首目に主題というか大きなテーマというかそういう歌がきて(語彙力がない)、六首目で……!という感じです。六首目を読んで「伏線が回収された」感がありました。いや伏線ではないのだけれど。すごいうまい作り方がされていると思います。(連作の上手い下手はよくわからないんですけど)(でもわたしもこんなん読みたいと思った)
連作の組み方としても、タイトルからの作り方としても、災害についての作品としても、すごいなあと思いっぱなしの連作です。


――――――
以上、2018年8月中旬頃に書いたものです。ここまで書いて力尽きていました。本当は続きも書けたら良かったのだけれど、多分しばらくは気力がないし、このまま書かずに終わってしまいそうだったので、せめて書いた分は……!と思い今さらのうp
なんだかとってもごめんなさい。今年もよろしくお願いいたします。